伊達接骨院

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接骨院 整骨院 福山市神辺町 084-963-4847

症例解説

運動器の傷害・障害はさまざまで、多種多様ですがその中のほんの一部で、身近な症例について説明しています。

 

変形性腰椎症と腰痛予防

腰椎は5個の椎体という骨があります。

このレントゲンは、腰椎を正面から撮影したものですが、

2・3番の左右に大きな、骨棘と呼ばれる変化がおきて、出っ張っています。

下のレントゲンは、側面から撮影したものですが、2・3・4番の前方に大きな骨棘が形成されています。

変性と呼ばれる、特に加齢に伴う変化です。この変化は、高齢になるとほとんどの人に現れます。したがって、この変化があるから腰痛を起こすという分けではありませんが、このような変化がある人は、椎間板という軟骨もだめになって、腰椎が不安定になってきます。

そのため、支えてくれる筋力が低下したり、柔軟性がなくなってくると、負荷を支えることができなくなり、痛みを出すことに繋がります。

以前は、この骨棘そのものが周囲を刺激したりして痛みを出す、というようなことも言われていましたが、現在はこの変化そのものは、直接の痛みの原因ではない、というように考えられています。

 

腰痛の最大の予防法は、以下のようなことを継続することです。

①背骨を前後左右、回旋という全方向へよく動かす。

②筋力が低下しないように、活動的な生活をする。

③30分以上、同一姿勢(立位・座位ともに)を続けない。

④不用意に曲げたりひねったりしない。

⑤重量物を持ち上げるときには、膝を曲げて腰はまっすぐに。

⑥睡眠環境を整え、質の良い睡眠をとる。

 

腰椎スベリ症

このレントゲンは、腰椎を側方から写したものです。

赤い線で示した通り第4腰椎が第5腰椎よりも前方へ移動しています。このような状態をスベリ症といいます。

このような状態の方は、中年以降、腰痛を訴えて受診したときに、割と多くの方に見受けられます。

通常は放置しても構わないものです。

 

突発性脊柱側弯症

このレントゲンは、突発性脊柱側弯症です。

突発性側弯症は、原因不明です。

側弯症は、先天性、神経線維腫症、脳性麻痺、ポリオ、等の原因のある側弯症もあります。

また、構築性と非構築性に分類することができ、非構築性の側弯症は、脊椎そのものに変化等は無く、姿勢、癖、等による機能性側弯です。したがって、非構築性側弯は、通常治療の必要はありませんが、姿勢や癖を矯正しておいた方が良いのは云うまでもありません。

 

さて、問題は構築性側弯である突発性側弯症です。

 

発生頻度

 10度以上のもの・・小学生高学年1%、中学生2~3%

 20度以上(要治療)のもの・・約0.5

 

発症年齢と予後

1)乳幼児期側弯症(0~3歳に発症)

    85~90%・・・自然緩解

    10~15%・・・急速に進行

2)学童期側弯症(4~9歳に発症)

    多くは急速進行を示す。

3)思春期側弯症(10歳以降の発症)

    進行様相は一定していない。

    右胸椎側弯型が多い。

    男:女 比 1:5~7

 

側弯症における問題点

1)美容上の問題

2)内臓障害、特に心肺機能障害

3)腰部・背部痛

4)精神面の問題

 

治療法

1)原則として、装具による保存療法が優先する。

  適応は、成長期で、20~40度の進行性の側弯。

2)手術療法

  適応は、保存療法に抵抗するもので、一般に50度以上の        

  カーブを有するもの。

 

早期発見のためのチェックポイント

(1)肩の高さの左右差

(2)肩甲骨の高さの左右差

(3)左右ウエストラインの

   不均斉

(4)前屈位における背部の

   不均斉(肋骨隆起)   

 

お願いとご注意

突発性脊柱側弯症について概略を記しましたが、この治療は、専門の整形外科医でなければ不可能です。

したがって、巷に、側弯症も治療して治る、と謳っている広告を見かけることがありますが、決してダマされないでください。

治療の時を逃すと、場合によっては急激に進行してしまい、後悔することになります。

もし、民間療法等で治った場合は、それは非構築性のもので、姿勢や癖等であって、いわゆる機能性のものです。

構築性である「突発性脊柱側弯症」ではないものです。

 

変形性膝関節症と予防法

このレントゲンは、高度な変性が起こり、半月板などの軟骨がほとんどだめになり、関節の隙間がありません。高度なO脚状態となり、関節の外側ばかりに体重が掛かるようになってしまいました。

そのため日常生活に支障を来す疼痛が出現したために、脛骨という下腿の骨を、骨切り術という手術を行い、角度を変えて内側へも体重が掛かるようにして、疼痛を緩和させた症例です。

現在では、人工関節置換術の対象かも知れません。

 

このように酷い状態にならないようにするためには、以下のような日常生活を心がけるとよいでしょう。

①歩行する

歩行は、基本中の基本です。膝に限ったことではありませんが、歩いて使うということが行われなければ、維持するのは困難です。

では、どのくらい歩けばよいのかということですが、これは議論の分かれるところですが、私の考えは、

1)1時間以上は連続で歩けること。

2)4階までは階段で十分上がれること。

3)1日の内、少なくても5時間以上は動き回ること。

②同一肢位を続けない

立っていても、座っていても、関節を動かさない状態を続けると、関節軟骨への栄養の供給がうまく行えなくなる。という構造になっています。

立っていなければならない時には、所謂、やすめの肢位で左右う交互に体重移動したり、できる範囲で軽く屈伸したりします。

デスクワークあるいは長時間の移動で座っているときには、ちょくちょく立ち上がって歩いたり、膝や足首、足の指を屈伸したりします。

③屈伸をよく行う

関節には関節液があり、当然、潤滑作用を行いますが、軟骨へ栄養を供給するという大切な働きをしています。

しかし、あまり関節を動かさないと、この関節液がうまく循環しません。関節液がうまく循環しないと、軟骨は栄養不足となり、早くだめになってしまいます。

また、十分動かすとヒアルロン酸なども多く分泌されるようになります。

したがって、椅子に座っているときにも、膝の曲げ伸ばしをしたり、あるいは自転車を利用する等も効果的です。

④不用意な動作をしない

特に運動習慣のない人は、急に走り出したり、跳んだりしないようにしましょう。瞬間的な動作は壊すもとになります。

急激速い動作での屈曲や進展も、同様に危険です。

また、意外に思われるかも知れませんが、足に体重が掛かって固定された状態で、上体を捻る動作も気を付けてください。これは、足が動かない状態で上が捻られると、下腿は動かないのに、大体が回旋して、膝関節で臼で潰すような状態が起きて危険です。

 

勿論、その他にも筋力や柔軟性、あるいは食事も重要であることは言うまでもありません。

 

肩関節周囲炎(五十肩等)

このレントゲンは、肩関節を正面から撮影したものですが、赤丸で囲んだ部分に、石灰沈着と言われている、カルシウムがくっついた状態です。

このような状態になると、通常激しい痛みを伴い、関節の可動域は制限され、日常生活に支障を来します。

肩関節は、骨と骨の接触はごくわずかで、肩を取り囲んでいる筋肉や腱と呼ばれるスジで腕を釣り上げている構造をしています。この構造のおかげで、ぐるぐると回すことができます。

その反面、周りのスジは常に大きなストレスにさらされることになります。

若い時にはそのスジも、みずみずしくて弾力に富み、スムーズに動いていますが、年齢とともに徐々に弾力が低下してきます。

そこへ、使いすぎたりしてストレスが加わったり、逆に普段あまり動かさないひとが、いつもより大きく動かしたり強い力を使ったりしたのをきっかけに、疼痛が出現したりします。

疼痛の原因は、スジの炎症、スジの一部損傷、滑液包炎という潤滑剤の役目をする部分の炎症、等が一般的です。

あるいは、スジが切れてしまう場合や関節軟骨の損傷等の場合もあります。このような場合には、手術しないと治らないケースもあります。

また、凍結肩といわれている、周囲のスジなどが硬くなってしまい、ほとんど動かせない状態になることがあります。

そうなってしまうと、半年、1年、2年、3年、というような長い経過となってしまう場合もあります。

そうならないためには、普段から体操をして、可動域全体によく動かしておくことが最も大切です。

肩の疼痛は、しばしば、夜間痛や安静時にも係わらず疼痛が出現することがあります。そうなると辛いですから、やはり、良く体操して、使い過ぎず、使わなさすぎず、予防を心がけましょう。

 

先天性股関節脱臼(LCC)

このレントゲンは、乳児の両股関節正面のレントゲンです。(中央のロート状の白い陰影は精線保護用の鉛板です。)

左の股関節が脱臼位にあります。先天性股関節脱臼と呼ばれていますが、ほとんどは出生後に脱臼するものがほとんどです。稀に奇形性脱臼といわれる、出生時にすでに高度な脱臼が認められるものがありますが、しばしば他の奇形を合併しています。

一般的な先天性股関節脱臼の原因は、遺伝、人種地域的、関節弛緩、性ホルモン、環境等の説がありますが、定説はありません。

50年くらい前から予防の普及が進み、徐々に減少してきて今は少なくなってきていますが、逆に見過ごさられて、治療の時期を逃し、後遺症の問題が起きてきています。

つまり、乳児の時期に発見して、適切に治療されれば、ほとんど後遺障害なく治りますが、時期を逸すると、昨日回復のために手術が必要になります。

最近は再び乳児検診等で見逃さないように、という啓発活動が行われています。

親等ができる予防法は、自由に股関節を動かせる状態を維持できるように窮屈な寝かせ方をしないようにし、布団も体が沈むような柔らかいものはだめです。

抱くときには、両足をそろえて股関節を閉じさせるようにすると、脱臼しやすくなりますので、両脚を開かせて股の間に手を入れて抱いたり、両脚を開かせて骨盤に掛けたりします。

また、おむつを替えるときにも、両脚をそろえて引っ張り上げたりしないようにします。

早期発見し専門医に治療していただくことが重要です。

自分でできる早期発見方は、股を開いた時左右差があり、片方が硬くて床に着かない、あるいはお尻のしわが左右違う等があったら直ぐに専門医の診察を受けてください。

 

変形性股関節症

このレントゲンは、高度な両側変形と疼痛、機能障害を伴っている症例です。

両側松葉杖を使用し、室内の歩行は可能であるという状態です。

股関節に高度な変性が起こり症状が出現すると、他の部位と比べ対処は困難な場合が多くなります。

現在の医学では、人工関節への置換術の適応となるでしょう。

発生頻度としては、膝関節や腰椎と比べると少ないようです。

 

ペルテス病

このレントゲンは、右大腿骨骨頭のペルテス病です。

2~15歳位に発症(4~8歳に好発)する大腿骨骨頭の病気です。

原因としては、外傷、炎症、内分泌疾患、
血行障害等の諸説があります。

頻度は、14歳以下において、0.05~0.1%程度といわれています。

5:1で男児に多い疾患です。

軽微な疼痛から始まり、関節可動域制限、
疼痛、跛行の増強が起こります。

初期には、X-P検査に異常が無く、進行してから診断されることが多いようです。

適切な治療をおこなえば、予後は比較的良好ですが、しばしば変形性股関節症の原因となります。

単純性股関節炎

昨日まで元気に跳ねたり跳んだりして遊んでいたのに、朝起きたら、足を突くと痛くて歩けない等の訴えで発症します。

ほとんどは学童期までで、特に低学年までが多い疾患です。

多くは片側の股関節に痛みを訴えます。圧痛があり、外へ開こうとすると痛みのために開けない等の症状があります。

安静臥床すれば痛みはなく、通常数日の運動中止で寛解することがほとんどです。

10日以上痛みが和らぐことなく経過していく場合、あるいは痛みが増悪していくような場合には、他の疾患を疑わなければなりません。

レントゲン検査や炎症の検査をしても異常はありません。

経過は良好です。

肘内障

幼児の手を不意に引っ張ったりしたときに、急に痛みを訴え動かさなくなった。

というときには、この肘内障(ちゅうないしょう)を起こしていることがほとんどです。

痛みを訴える場所は、肩や手首のことがよくありますが、痛めているのは肘関節の親指側にある、橈骨小頭という部分です。

おおむね1~6歳くらいに発症しやすいですが、この他の年齢でも起こることはあります。

ただし、成人に起こることはありません。
成長の終わった橈骨小頭部は、頸部と呼ばれるくびれた部分があり、そこを橈骨輪状靭帯という組織で覆い、その中を橈骨小頭が回旋することによって手のひらを自由に回せる仕組みになっています。

ところが成長過程にある小児の橈骨小頭部はくびれが十分に形成されていないために、橈骨輪状靭帯が容易に脱位してしまい、間に挟まってしまうので痛みのために動かせなくなる、というのがこの肘内障です。

いわゆる癖になることが多々ありますが、訓練等での予防法はありませんので、せいぜい不用意に手を引っ張らないことぐらいしかできません。

ただ、概ね小学校へ入学するくらいになると、ほとんどの子は起こらなくなりますので、あまり心配はありません。

オスグット・シュラッター病

大腿四頭筋(太もも前面の筋肉)が膝蓋骨(膝のお皿)を介して、膝蓋腱となり脛骨(下腿の太い骨)の上端に付着し、膝関節を伸展する働きをしていますが、走ったり跳んだりすると脛骨の付着部へ強力な張力が掛かります。その力が耐えられる限界を超えると、痛みが出現します。

小学校高学年から中学生に主に発症します。成長が止まる高校生くらいになるとほとんど見られなくなります。

これは、成長途上にある子供の骨が脆弱であること、身長が急激に伸びたときに、その速度に筋肉や腱の伸びる速度が追い付かずに、強い張力が働くために起こる等といわれています。

小学生の時には、運動を中止させ炎症が治まるのを待ってから運動を再開させるほうが、その後のことを考えると最良と思われます。

中学生で本格的にスポーツへ取り組んでいるような場合には、股関節から大腿部の筋肉などのストレッチで張力を緩和させたり、運動内容や運動量を加減しながら、治療する場合もあります。

予後は良好なケースがほとんどですが、付着部が肥大してそのまま遺存することもあり、美容的な問題を残します。

 

突き指

スポーツに限ったものではありませんが、スポーツの現場では非常にしばしば遭遇する外傷です。

「突き指」を傷病名と思っておられる人も多いようですが、指を何かで強く突くことを現している言葉です。

つまり負傷原因ということになります。

したがって、突き指をしてその結果、捻挫をした、打撲をした、骨折をした、脱臼をした、ということになります。

よく、突き指をしたら引っ張れば良い、と思っておられる方も多いようですが、二次損傷を起こす場合があり、非常に危険ですので止めてください。

突き指で皆さんが思われている以上に治りにくいのが、靭帯損傷を起こしている場合です。

靭帯組織は回復に長期を要す組織ですから、根気強く治療する必要がありますが、多くの人が、骨が大丈夫だったので良かったといわれるのをお聞きします。

しかし、骨折が癒合する期間よりもはるかに長期を要することが多いのです。

捻挫だからと軽くみないで、きちんと治療する必要があります。

シンスプリント

聞かれたことがある人も多いと思いますが、下腿内側に起こる痛みのことをいいます。

メカニズムは、後脛骨筋という下腿にある筋肉の腱が、脛骨と擦れたり強く引き伸ばされたりして、炎症を起こして発症します。

様々な競技で発症します。
トレーニングで走ったり、跳んだりを繰り返していて耐えられなくなった状態と思ってください。

一般的には、初めは運動後の翌日に歩行開始時の痛み、あるいは運動後に痛みが出ることが多く、その後は、運動開始時に痛みが出るようになり、運動中に痛みが増してくる、運動が終わった後も歩行時に痛みが持続する、というような経過をたどることが多いです。

もっと症状が増悪すると、就寝時等安静にしていてもズキズキすることがあります。

また、骨膜へ炎症が及んだり、最悪の場合「疲労骨折」を起こす場合もありますので、ごく初期の段階で適切な治療等を受けることが大変重要な障害です。

疲労骨折

繰り返し加わる外力により、骨のある部位に破断が起こるものをいいます。

金属を曲げ延ばしすると折れてしまうことに例えて、金属疲労に似ているという説明をされることが多いようです。

どの部位でも起こる可能性はありますが、臨床で見かけることが多いのは、下腿の脛骨・腓骨、足の中足骨、胸の肋骨等です。

また、腰椎分離症というのがありますが、これらも疲労骨折で起こるケースが多々あるようです。

単純X-P検査で診断できるくらいに進行すれば、運動は禁忌となります。

ごく早期に適切に対処すれば、4~5週間で回復することもありますが、通常は数カ月を要することが大半です。

また、ケースによっては数年かかるもの、あるいは外科手術をしないと治らないものもあります。

疲労骨折を起こすと、スポーツの長期中止が必要になりますので、疲労骨折に至らないうちに適切な対応が必要です。

靭帯損傷

靭帯という組織は、関節をつなぎ安定させるのに欠かせないものです。スポーツの現場だけで損傷を起こすわけではありませんが、
頻度は圧倒的にスポーツ中に負傷することが多い損傷です。主な一部の捻挫について記します。

足関節(足首)

足首は解剖学的な構造により、内返しを強制されたときに負傷することがほとんどのため、くるぶし外側の靭帯を損傷することが大多数を占めます。

競技種目としては、ほとんどの種目でまんべんなく発生します。

専門的には、損傷度を軽度な1度から完全断裂に及ぶような3度に分類してあります。

安定の良い軽度な1度の場合などは、サポーターやテーピング等で損傷部位を保護することで、年齢によりますが1~3週間で回復します。

2度になってくると、不安定な状態になりますので、保護する方法ももう少し強固な固定材料を使用することが必要になるケースが多々あります。

スポーツへの復帰も、4~6週間以上かかることが多くなります。

3度で完全断裂の場合、再建手術が行われることもありますが、適切な固定を6週程度行い、再生環境を整えてやれば回復してくることが分かっていますので、その患者さんの事情や環境等を考慮して治療法を選択していくことになります。

 

膝関節

膝には強固な靭帯が4つあります。

内側側副靭帯・外側側副靭帯・前十字靭帯・後十字靭帯です。

この中で良く見られる損傷が、内側側副靭帯と前十字靭帯です。

ラグビー、サッカー、柔道等の相手との接触により外力が加わって起こる場合とバレーボール、バスケットボール、跳躍競技等で着地する時の外力で起こる場合があります。

運良く、内側側副靭帯単独損傷であれば、適切な固定を4~6週間行えば回復します。

しかし、前十字靱帯の損傷がともなえば、いくら固定しても回復することはほとんど望めません。

したがって再建手術の対象となることがほとんどです。

放置すると膝が非常に不安定な状態となり、スポーツは勿論、日常生活でも、ずれてはずれたような症状を呈し支障をきたします。

また、このような症状が続くと早期に関節軟骨の損傷を起こし、変形性膝関節症へと移行します。

変形性膝関節症は加齢と共に発症することが多いものですが、同年齢の人よりも早期に発症することとなり、生活の質が低下することになります。

ただし、前十字靭帯等の断裂を手術もせず放置したまま、日常生活を普通に過ごしておられる方があるのも事実ですので、付け加えておきます。

 

指(主に手の指)

いわゆる突き指や、指が何かに引っ掛かり捻られたときにおこりますが、ほとんどは関節の内外側にある靭帯の損傷です。

程度により、良肢位(伸展~軽度屈曲位)で2~6週程度固定して治療します。

安易に考えられる方が多いようですが、適切な治療を施さないと、あとあと長年痛みや動作が回復せず困ることが多いのもこの指の靭帯損傷(捻挫)の特徴です。

 

肘上顆炎

主に肘の外側あるいは内側に痛みが出るもので、外側の場合は「上腕骨外側上顆炎」といい、よくテニス肘という言い方をします。

内側の場合は「上腕骨内側上顆炎」といい、野球肘という言い方がよくされます。

スポーツに限らず、仕事、家事、農作業等でも発症しますが、仕事、家事、農作業等が原因の場合は、中年以降の人に発症することが多くなります。

肘に痛みが出るので、肘を使いすぎて起こると思われる方が多いと思いますが、実は、手首や指を動かす筋肉が骨に着いている場所に痛みが出てきます。

つまり、指や手首に負荷をかけて使うとき筋肉が収縮するわけですから、その筋肉の付け根である上腕骨内外上顆部に引っ張る力が働きます。

その力に耐えられなくなり炎症を起こしてくると痛みが出てきます。

これが上顆炎です。
ただし、野球肘の中には投球動作等で骨が衝突して障害を起こすものがあります。この場合は、上顆炎とは病態が違いますので経過も対処も異なります。

また、スポーツ選手が発症した場合には、練習メニューの見直し、フォームの矯正、ストレッチ、筋力強化等で総合的に治療や予防
を行う必要があります。

この障害は我慢できる痛みであったり、1~2日休息させると痛みが和らぐので、すぐに練習を再開してまた痛くなるという経過をたどるケースがよくあります。

これらを繰り返し慢性的な状態になると、治りにくくなり結果として最高のパフォーマンスを発揮できないことになりますので、初期に適切に治療することが大切です。